カテゴリー: Googleサービス
Webサイト運営者であれば、一度は「SEO対策」という言葉を聞いたことがあるはずです。
しかしSEO対策とひとくちに言っても、その仕組みや歴史は複雑であり、完全に理解することは容易ではありません。
ただ、最も有名な検索エンジンであるGoogleは、ユーザーの利便性を第一に考え、ウェブ上の検索結果に大きな影響を与える数々の「アップデート」を行ってきました。
そのアップデート内容を元に、Googleの意図や真意について分析し、サイト運営者が取り入れるべきSEO対策のヒントを見つけ出すことは可能です。
今回はGoogleとSEOの全容を分析し、各アップデートの目的と今後重要な「真のSEO対策」について徹底的に解説していきます。
サイト運用者のみならず、幅広いユーザーがインターネット検索として利用する「Google」。
Googleのアルゴリズムは定期的に改善されており、ユーザーにとって最良の情報が提供されるように現在も変化し続けています。
そんなGoogleは、「検索エンジン最適化」の略称であるSEO対策と、具体的にどのような関係があるのでしょうか?
ここからは、GoogleとSEOの関係性や検索順位が決定される仕組みについてご紹介します。
現在では、GoogleやYahoo!JAPAN、Bingなどさまざまな検索エンジンが存在していますが、日本国内における検索エンジンのシェア数は約7割がGoogleという結果が出ています。
また、Googleの次に使用されているYahoo!JAPANの検索エンジンは、Googleのアルゴリズムが導入されています。
このような背景から、「SEO対策=Google対策」と言われているのです。
Googleは検索結果に表示されるサイトの検索順位を決定する際、主に3つのポイントを見てサイトを評価しています。
1.コンテンツの内容
2.獲得した被リンク数と被リンクの質
3.サイトを利用するユーザーの快適性
そのため、Webサイト制作者はSEO対策を行うにあたり、この3点を最重視する必要があります。どれか1つでも欠けてしまうと、Webサイトが上位表示される可能性が下がります。
一見シンプルに感じる3つの要素ですが、実際にひとつずつポイントを攻略していこうとなると、さらに詳細を知っていかなければなりません。
ただ、Googleは「何をすると検索順位が上がるのか」という具体的な方法を一切発表していません。
そのため、Googleが定期的に行っているアルゴリズムの更新内容を参考に、どういったサイトが評価されるのかを常に分析することが大切です。
Googleは定期的に検索アルゴリズムのアップデートを実施していますが、過去に実施された大きなアルゴリズムの変更により、順位が大きく変動することが数回ありました。
今も昔もGoogleの「ユーザーを第一に考える理念」は変わっていません。常にGoogleの理念を貫くため、ユーザーが求めている情報を瞬時に表示できるよう、改善し続けています。
ここからは、これまで行われた検索アルゴリズムのアップデートのうち、特に検索順位に大きな影響を与えたアップデート内容をご紹介します。
2012年4月に実施された「ペンギンアップデート」は、検索順位を上げるだけのために行った不正な対策をスパム行為とみなすために実施されたアップデートです。
ペンギンアップデートで不正として認識されたSEO手法は「ブラックハットSEO」とも呼ばれています。ブラックハットSEOで代表的な手法には、以下2つがあります。
1.質の低いサテライトサイトを利用した不自然な被リンクを大量に貼る
2.対策キーワードを過度に使用する
まず「サテライトサイト」や「被リンク」は、SEO対策の外部施策における基本的な手法です。
一般的に、ユーザーにとって有用な情報を発信していれば数多くの被リンクが自然と集まると考えられており、Googleは「被リンクが多いサイト」を積極的に上位表示させていました。
しかし、この法則を悪用し、質の低いサテライトサイトを大量に作成して被リンクを張るという行為が多発してしまいます。
さらに同時期には、不自然にキーワードを過多使用するという手法も流行り、ユーザーにとって有用な情報が発信されていないWebサイトばかりが上位に表示されていました。
しかし、ペンギンアップデートが行われたことにより、こういった「悪質な手法」を用いて上位に表示されていたWebサイトは検索結果から削除される、もしくは検索順位が落ちるなど、さまざまなペナルティが課せられました。
2012年を始めに、ペンギンアップデートは定期的にGoogleが手動で実施していましたが、コアアルゴリズムに統合され、現在では自動で更新が行われるようになっています。
2012年7月に実施された「パンダアップデート」は、ユーザーにとって価値の少ないサイト・ページを排除するために実施されたアップデートです。
パンダアップデートでは、主に以下の要素を含んだページが「有用性のないコンテンツ」としてペナルティが課せられました。
●過度に広告が貼り付けられている
●内容が薄く役に立たないコンテンツ
●不正ツールで自動生成されたサイト記事
●他ページの情報を流用したコピーサイト
これまで評価対象にあったページの順位変動が大きかったことも要因として考えられますが、反対に以下のような要素を含んだページの順位が上がったと言われています。
●オリジナル性が高いコンテンツ
●信頼性・専門性が高いコンテンツ
ペンギンアップデートに続き、低品質なコンテンツはすべて排除するという傾向がますます強くなったということは、パンダアップデートで明確になりました。
そして現在、パンダアップデートはペンギンアップデートと同様、定期的に自動で更新されています。
2016年4月に実施された「モバイルフレンドリーアップデート」は、Webサイトがスマートフォンに対応しているかどうかを順位決定する要因の一つにするために実施されたアップデートです。
従来はネット利用にパソコンを用いることが一般的でしたが、現在ではスマートフォンが普及していることもあり、モバイルからのネット利用者はパソコンの数を上回りました。
利用するデバイスにより、表示される画面サイズや読み込み速度は大きく異なるため、パソコンでの利用のみを想定したサイトは、文章や画像がモバイル端末上で適切に表示されません。
そこでGoogleは、ネット検索に利用するデバイス変化の傾向に伴い、モバイル端末からの操作性や視認性を重視するため、新たな評価基準をアルゴリズムに組み込みました。
モバイルフレンドリーアップデートでは、以下のポイントが重視されます。
●モバイル(スマホ)対応したサイト構成となっている
●モバイル端末での画面表示速度が長すぎない
●モバイル端末で表示できないコンテンツがない
●拡大や横スクロールを必要としない
●リンクなど各要素の間にタップできる十分なスペースがある
世界的にスマートフォンが普及している中、上記のポイントを満たしていないWebサイトは上位化を目指すことが難しくなります。
市場の変化に伴い、今後はモバイルサイトを重視してWebサイトを運用することが重要となるでしょう。
2018年8月に実施された「コアアルゴリズムアップデート」は、権威性の高いコンテンツを評価するために実施されたと言われているアップデートです。ペンギンアップデートやパンダアップデートに比べ、明確なアップデート内容が曖昧となっています。
ただ、アップデート後に健康や美容、医学などの分野ではサイト順位が大きく変動しています。これにより、「YMYL」や「E-A-T」が大きく関係していることが分かっています。
YMYLは「Your Money or Your Life」の略語であり、資産や健康などといったユーザーの人生に影響する要素を指しています。
つまり、Googleは人生を左右する情報に信頼性が必要だと考え、記事の内容に根拠が少ないサイトを上位表示すべきではないと判断したということです。
そして、この際に重視される「専門性・権威性・信頼性」は、それぞれ英単語の頭文字を組み合わせて「E-A-T」と呼ばれています。
専門性 = Expertise
権威性 = Authoritativeness
信頼性 = Trustworthiness
このことから、「YMYLの要素を持つE-A-Tが高いWebサイト」は、これまでより評価されるようになりました。
定期的に行われた各種類のアップデートは、ユーザーが求めている最適な情報を届けることを目的としています。
いまだGoogleの検索アルゴリズムは完全とは言えない上、アップデートの更新内容はGoogleにしか分かりません。ただ、最新のアップデート内容に注目して考えてみると、今後はさらに「E-A-T」が重視される可能性があると言えるでしょう。
具体的には、医療関係のメディアであれば医療資格の証明、金融メディアであれば実務経験や保有資格など、Googleおよびユーザーに対する「資格・経歴の可視化」です。
コアアルゴリズムアップデート以降、信頼性の薄いWebサイトの検索順位が下がるなどの事案を考えると、今後「信頼性」に関わる大きなアップデートが実施される可能性も十分考えられます。
アップデートのたびに検索結果は大きく変動し、検索エンジンの改善が続けられてきました。しかし、SEO対策のヒントとなる「サイト評価の基準」の本質は変わりません。
SEO対策で行き詰った際、自身のWebサイト分析を行うにあたって以下3点を再度確認することをおすすめします。
①被リンクの数がすべてではない
②コンテンツは量より質
③ユーザーを第一に考えたサイトかどうか
ここからは、それぞれのポイントについて詳しくご紹介していきます。
被リンクの多いサイトは上位表示しやすいと前述しましたが、度重なるアップデートにより、注目すべきポイントは「被リンクの数」だけではなくなっています。
依然として被リンクは大切であるものの、今までよりもリンク元となるサイトの質が重要視されるようになりました。
そして、良質な被リンクを獲得するためには、コンテンツのクオリティを向上させるほかありません。そのため、ユーザーを第一に考えた「良質なコンテンツ」の作成が重要となるのです。
過去のアップデートから、ユーザーの視点に立った「良質なコンテンツ」が高評価を集めることは明らかとなりましたが、未だコンテンツ量を重視したWebサイトが多いことは事実です。これには、多くのライターを用いて大量の記事を投稿する「キュレーションサイト」の流行が影響しています。
キュレーションサイトとは、数多くの「1つのテーマをまとめたコンテンツ」で構成されたメディアのことです。
一時期、ネット上には数多くのキュレーションサイトが溢れていましたが、独自性のない記事や専門性の低い記事が量産されたことにより問題視されました。
Googleはこういったキュレーションサイトの問題に厳しい姿勢を示し、以前に比べコンテンツの”量”よりも”質”を重視しています。Googleがユーザー視点を第一に考える限り、この方針を変えることはないと考えられるため、良質なコンテンツの制作は基本的なSEO対策として今後も有効となるでしょう。
これまでのアップデート内容を見ると、アルゴリズムは大きく変動しているようにも感じますが、SEO対策の本質である「ユーザーを第一に考える」という理念は、SEOという言葉が広まってから一度も変更されていません。
Googleの公式サイト内にある以下の1文は、Googleの基本理念を学ぶ際によく引用されています。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
引用元:Google/「Google が掲げる 10 の事実」
つまり、今後どのようなアップデートが実施されても、検索ユーザーを最優先に考える手法は必須だと言えます。
ここまで、これまで実施されてきたアップデートや、アップデート内容から分かるSEO対策のヒントについて紹介してきました。
しかし、「良質なコンテンツの作成」や「検索ユーザーを最優先に考えた手法」が重要だと言われても、具体的にどのようなものなのかイメージしにくいという方も少なくないでしょう。
ここからは、Googleの言及で読み取れるヒントを参考に、これから積極的に行うべきSEO対策についてピックアップしていきます。
まず、今後のSEO対策で最も注目しておきたいポイントが「UX」です。
UXは「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」の略語であり、ユーザー体験という意味を持ちます。
すなわち「UXが優れているWebサイト=利便性・快適性などにおいてページを訪れたユーザーの満足度が高いWebサイト」ということになります。
具体的に、UXが優れたサイトはユーザーに以下の体験をもたらします。
●ページの読み込みにかかる速度がスムーズで、ストレスを感じなかった
●コンテンツがシンプルにまとめられていたため、必要な情報まで即座にたどり着けた
これらの体験はコンテンツそのものの感想ではなく、「Webサイトの使い勝手」に対して抱いた感想です。
良質なコンテンツが配置されていることは前提であるものの、コンテンツ自体はUXとは関係ないものであると気付かなければなりません。
なぜなら、UXへの配慮が不十分なサイトは、いかに優れたコンテンツがあっても上記のような体験を与えないためです。
一方で、良質なコンテンツが完成しているのであれば、優先的にUXを追求していくべきでしょう。あくまで、「サイト内の有用な情報までスムーズに誘導する」ことがUXのポイントであり、コンテンツの質が二の次となることはありません。
インターネット利用の主なデバイスがスマートフォンに移り変わったことにより、パソコンでのインターネット利用を主軸に考えた従来のアルゴリズムは古い考え方となりました。
そこで新たに採用されたアルゴリズムが、モバイルファーストインデックスです。
以前であれば「デスクトップ向けサイト」として高評価だったWebサイトが上位表示されていましたが、モバイルファーストインデックスの採用後は「モバイル端末向けサイト」として高評価を集めるWebサイトが上位表示されるようになりました。
そのため、従来の基準で上位表示していたWebサイトの中でも、モバイル端末からのアクセスに不便を感じるWebサイトは順位が下がりつつあります。
今後もスマートフォンがインターネット検索のメインデバイスである限り、モバイルファーストインデックスが評価対象となる可能性は高いと言えるでしょう。まだWebサイトをモバイル対応させていないというサイト運営者は、早急に対応することをおすすめします。
「〇〇とは」「〇〇 費用」など、ユーザーが疑問を抱いて検索しているであろうワードで検索した場合、上記のように回答となるようなコンテンツが強調スニペットとして表示されることがあります。
強調スニペットは、検索順位が1位のサイトより上の位置に表示され非常に目立つため、積極的に表示させたい機能です。
ただ、Googleの回答によれば、強調スニペットは「Googleのプログラムによる自動検出」で生成されており、現状ではサイト制作者が意図的に表示させる方法はありません。
強調スニペットに表示させるためには、Googleのプログラムが100%理解できる形式でコンテンツを作成することが最も重要だと言えるでしょう。
Webサイト利用者からのレビューは、ユーザー目線に立った際、サイトの評判を可視化できる重要な指標です。
では、GoogleにとってWebサイトのレビューはどのような役割を果たすのでしょうか?
ここからは、SEOの観点からレビューがもたらす効果を解説していきます。
レビューがもたらす効果は「信頼の可視化や顧客の本心が分かる」ということですが、それだけでなくレビューはGoogleが第一に考える「ユーザー視点」での意見に分類されるため、Webサイトの重要な評価要素となっています。
検索結果の上位表示に直接的な効果があるわけではありませんが、客観的に評価されたレビュー内容を元にサイトに対する信頼性を高め、結果としてWebサイトのファンが増えるといった好循環になる可能性はあります。
ファンが増えることによって自然と被リンクが集まるようになる、等のSEO効果が見込めるため、ユーザーのレビューを積極的に取り入れることは結果としてSEOに有効であると言えるでしょう。
ネガティブなレビューは、SEOに悪影響を及ぼすイメージがあります。しかし、実際にはネガティブなレビューが検索順位を決定するための評価に直結することはありません。
Googleは、あくまで客観的な基準でサイトの評価を決定します。そのため、たとえネガティブなレビューがあったとしても、それを理由にペナルティを課すことはありません。
また、ネガティブなレビューはWebサイトやサービスなどの改善点を把握するきっかけになるため、真摯に受け入れることが大切です。
検索アルゴリズムは日々変動しており、最新のSEOトレンドに対応した手法など、常に新しい情報が発信されています。
サイト制作者にとって、「業界の最新情報」を取り入れることは重要です。しかし、トレンドばかりを重視し、実際に閲覧するユーザーの事を考えずにサイト制作を行ってしまうと、結果として誰の役にも立たず、検索結果にも表示されない無意味なサイトが出来上がってしまうかもしれません。
Googleが変わらない理念を持ち続けている限り、「ユーザーの事を考えて作られたサイト」を制作・運用していけば、それがSEO対策になります。ユーザーから自然に好まれるサイトを制作することが、”真のSEO対策”になるということを覚えておきましょう。
幅広い手法が存在しているため複雑に捉えられがちなSEO対策ですが、ユーザーを第一に考えることで、SEO対策におけるさまざまな手法に対して明確な目的を持てるはずです。
そもそもSEO対策を行う目的の多くは「検索順位を上げるため」ですが、SEO対策は上位化することがゴールではありません。検索順位が上がったとしても、ユーザーの満足度が低ければ成果には繋がらないでしょう。
これまで実施されてきた数多くのアップデート内容や、これからより重視されるであろうSEO対策の手法を知り、ぜひ今後の”成果に繋がるサイト運用”にお役立てください。
こちらの「【Web担当者必見】SEO対策で最も重視すべき3つのポイント」も参考になりますので、ご覧ください。
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